潔癖症は、そうではない人からすれば『異常』『面倒くさい』と感じる、理解ができないことだと思います。
ですがこれは意外にも潔癖症である本人にとっても同じなのです。
気にしたくなくても気になってしまう、できないことが多くて窮屈で嫌なのにどうしても汚いという気持ちが勝ってしまう、当人にとっても潔癖症は面倒なのです。
潔癖症は治そうとして治るものではありませんが、改善するためにできることはあります。
この記事では実際に経験したからこそ言える、改善するためにできることについてお話ししていきます。
異常だけど普通
潔癖症を改善するために必要なのは
自分を知ること
です。
潔癖症が異常だというのは他人といれば嫌というほど思い知ります。それでもその異常が当人とっては普通です。
気にしないという選択があると知っていてもそれは選択肢にはありません。
気にならないことが他人の普通であるように潔癖症の人には気になることが普通なのです。
そのため、本人でも心の異常や変化に気づけないということが起こってしまいます。
だからこそ、まずは自分自身を知ってあげることが必要なのです。
潔癖症とは
潔癖症とは強迫性障害と呼ばれる不安障害の一種です。
その症状は、
- 他人が触れたものに触れられない
- 目には見えなくても汚れているという意識が頭から離れない
- 汚れているという意識からすぐに手を洗ってしまう
- 何度も何度も手を洗わないと気が済まない
など人によって様々ですが「きれいにしたい」というよりも「汚いものを排除したい」という意思が強いことが潔癖症の特徴だと思います。
強迫性障害は潔癖以外に何がある?
強迫性障害の代表的な強迫行為は潔癖(不潔恐怖)以外に、
加害恐怖・・・誰かに危害を加えたかもしれないという不安がこころを離れず、新聞やテレビに事件・事故として出ていないか確認したり、警察や周囲の人に確認したりする。
確認行為・・・戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する(何度も確認する、じっと見張る、指差し確認する、手でさわって確認するなど)。
儀式行為・・・自分の決めた手順でものごとを行わないと、恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ方法で仕事や家事をしなくてはならない。
数字へのこだわり・・・不吉な数字・幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわる。
物の配置、対称性などへのこだわり・・・物の配置に一定のこだわりがあり、必ずそうなっていないと不安になる。
があります。 引用: こころの情報サイト|強迫性障害
強迫行為は精神状態の表れ
潔癖はきれい好きとは違い、「したい」ではなく「しなければならない」、自分の意思ではなく強制的な行動です。
自分の行動なのにコントロールできない状態は正常ではありません。
汚れているという意識が頭から離れず不安や苛立ちを覚え、したいわけではないのにしないと安心できない、これは精神状態の不安定さが行動として表れていると考えられます。
私はストレスが限界に近いときほど症状が現れ、自分が触れると決めているところ以外に少しでも手が触れると「汚い汚い汚い」と嫌悪といら立ちが、限界に近いストレスに加わり、それをこらえきれず泣きながら手を洗うこともあります。
私の場合は自分の精神状態を「どれだけ周囲に神経を尖らせているのか」で把握しています。
落ち着いているときは自分で決めた生活や手順さえ守っていれば特別負担はかからないのですが、不安定なときは汚いという感覚が鋭くなり、いつもなら気にならないことがストレスになってさらに精神状態が悪化します。
原因を知る
不潔恐怖は強迫行為の中でも最も明確な原因が存在する行為だと私は考えています。
不潔恐怖以外は、不安や焦りなどほとんどの人が抱く感情からの行為ですが、不潔恐怖の「汚いものを排除したい」という感情は誰もが日常生活に対して抱くものではありません。
潔癖症(不潔恐怖)も不安障害の一つなので心が安定すると症状が改善されることはありますが根本的な解決には、それだけ強く排除したいと思うようになった原因を知って、そこから対処する必要があります。
完治は難しい?
完治が、何も気にならない状態を指すのであれば正直難しいと思います。
一度は気になって気になって仕方がなかったことなので治ったと思っても、ふとした瞬間にその感覚を思い出すかもしれません。
しかし完治は難しくても症状の改善は可能です。
時間はかかるかもしれませんが症状と原因を知り、改善するためにできることを一つずつ焦らずにやっていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
関連記事:潔癖症の原因はストレスやトラウマだけではない?
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