「きょうだい」にどんなイメージがありますか?
賑やかそうでいいな、逆に常に騒がしそうだから1人がいいな、人によってきょうだいに対するイメージは様々だと思います。
今回は4人きょうだいで育った私がきょうだいがいることのリアルをお伝えしていきます。
ひとりっ子は寂しいからきょうだいがいた方がいいかもしれない、きょうだいが多いことでどんな悩みがあるのだろう、と興味がある方は最後まで読んでいただけると嬉しいです。
「きょうだいが多い」は何人から?
まず、きょうだいが多いと言えるのは何人からなのでしょうか。
私は4人きょうだいですがこれを書く前に「4人って多いと言えるのか?」「4人なんてよくいると思われない?」と不安になり調べてみました。
その結果明確なラインはないようですが、一般的には4人もしくは5人からが多いとされているようです。
ギリギリセーフです!
4人は多いと言っても問題ないことがわかったのでここから本題に入ります。
きょうだいが多いって実際どうなの?
これからお話しするのは私個人の意見で「全員にあてはまるものではない」ということが前提として、実際に4人きょうだいで育った経験からすれば、
きょうだいが多いことは幸せではありません。
母が悲しむので不幸だとは言いませんが正直幸せではありません。
主な理由は以下の4つです。
それぞれの理由について説明します。
ー幸せではない4つの理由ー
① 1人になれないから
「4人きょうだいです」と話すと大抵「にぎやかでいいね」と言われますがこれを言われるのは好きではありません。
4人いれば、仲がいい、悪い、仲は悪くないけどあまり話さない、など関係性は様々です。
私たちは他のきょうだいと比べれば会話が多い方で、周囲から仲がいいねと言われることがよくありました。
ですが実情は周りから見えているようないいものではありません。
私は素直な子どもではなかったのできょうだいとの会話でも「こういうことを言ってほしいんだろうな」と相手の性格や言葉から何を求めているのかを考えながら話していて、特別きょうだいや家族という意識はなく同級生や他人と話しているときと同じような感覚でした。(きょうだいだからこそ考えていることがよくわかったという部分はありますが)
そのため、仲がいいように見えるきょうだいの会話も私にはストレスが溜まるものでした。
ずっとそうやって会話をしていたので相手も「みことならこう言ってくれる」と私にしてほしい反応を用意して話しかけてくるようになりました。私がしてきたことの結果なのでこれで「きょうだいはいない方がいい」とは言いませんが、あまりにあからさまな期待に疲れることはありました。
慣れていたはずのそれが嫌になった時は、わざと相手が求めていない、言えば傷つくとわかっている言葉をあえて言ってしまうこともありました。
それほどきょうだいとの会話はストレスで、一緒にいると「話しかけられるかもしれない」という意識が常にあり、他人がいることのストレスから解放されたくて1人の空間を望む日々でした。
2人きょうだいであれば常に存在を感じることはないと思いますが、さすがに4人もいればいつも誰かが家にいるので1人の時間は想像以上に少ないです。
② 基本的に真ん中は損をするから
「お兄ちゃんなんだから」「お姉ちゃんなんだから」「弟なんだから」「妹なんだから」
きょうだいがいる人はおそらく言われた経験がある言葉だと思います。きょうだいがいればどちらの立場でも言われてしまう嫌な言葉ですが悲しいことに真ん中はこの両方に当てはまってしまうのです。
この言葉の後には我慢しなさいという意味の言葉が続くので、いつでも対象になる真ん中は他の立場よりも我慢を求められることが多くなります。
「(きょうだいの中で)一番上だから下の子のためにたくさん我慢をさせている」「末っ子だから仕方がない」というようにわかりやすくフォローできないというだけで、親からすれば我慢が多い立ち位置という意識が薄れてしまうのか、いつもフォローされるのは一番上と一番下だけでした。
ですが、必ずしも真ん中の我慢が一番多いというわけではありません。
私の場合は4人きょうだいなので真ん中は2人いますが、もう1人の真ん中はわがままで、我慢を知らないのかと思ってしまうほどだったので一概に真ん中が損、その他の立場が得だとは言えません。
あくまで真ん中は損をしやすいということです。
③ 誰かにしわ寄せが行ってしまうから
私のきょうだいは末っ子がその立場に甘えてとてもわがままだったので末っ子1人のわがままを聞くだけでも母は大変そうでした。そのため私は自分がしたいことをあまり口に出さないようにしていました。我慢ができない人がいるなら誰かが我慢をしなければ母1人では負担が大きすぎるからです。
母はできるだけ子どもがしたいことをさせてあげたいと考えていたので、「我慢して」とは言いたがりませんでした。だから、母が「我慢しなさい」と言ってしまう前に、言わなくてもいいように、我慢をすることを選んだ私はすぐにそれが癖になっていました。無意識のうちに、したいことも欲しいものも諦めて、だんだんそれらが頭の中に浮かばないようになっていきました。
あまりにも私が自分の欲を言わないので母は何かを決めるとき他のきょうだいの意見を聞く前に「みことは?どこに行きたいの?」「何が食べたい?」「何がしたい?」と最初に意見を聞いてくれていましたが私はいつもこれに答えることができませんでした。行きたいところも食べたいものもしたいことも何も思いつかなかったからです。
もう我慢という意識もなく自分の欲を出さないことが普通になっていました。
④ どうしても金銭面を気にしてしまうから
最後の理由は避けては通れない金銭面です。
たとえ一人当たりの支出が少なくても人数が多ければ合計金額はかさんでしまいます。
先程の理由③でお話しした「私がわがままを言わないのは母の負担が大きくなってしまうから」というのは体力や精神面はもちろんですが金銭的なものも大きいです。
私の家はお小遣い制ではありませんでした。母は何度かそうするべきかと悩んでいましたが、やはり制限をかけたくないという思いがあったのか、ずっと、欲しいものはその都度言って買ってもらうスタイルでした。
しかしそうするとどうしても平等ではなくなります。私のように自分の希望を言葉にすることを躊躇ってしまうケースがあるからです。
きょうだい4人のうち2人は金銭感覚が全くなく、欲しいものは買ってもらわないと気が済まないタイプで、ずっとそれを見ているのに「自分も」と言い出すことはできませんでした。
さすがに「買いすぎ」「お金がない」と怒られていることもありましたが母は甘いので最終的にはいつも買ってあげてしまうのです。そして、母が必ず買ってくれることをわかっていたので、この金銭感覚ない組は文句を言われようと怒られようと気にする様子はなく、そのときだけわかったふりをして自分の「ほしい」を優先させるばかりでした。
「買ってくれるお母さんなら言えばいいのに」と思われたかもしれませんが、買ってくれるから言えないのです。母1人で4人の子供を育てて余裕なんてあるはずがないのに子供にできるだけ我慢をさせたくなくて自分が無理をすることを選んでしまう母だから、一時の欲のためなんかには使わず必要なときに使えるように、お金がないことで心に余裕がなくならないように無駄なお金は使ってほしくありませんでした。
ですが、買い与えられることに慣れてしまった子供はそうはいきません。
出先だけではなく普段から「遊びに行くから、買いたいものがあるからお金を置いておいて」というメモがよくありました。「文句を言いながらもちゃんとお金はくれる、でもその文句は聞きたくない」だからメモを置くのはみんなが寝てから、お金の回収は母が仕事に行ってからで、メモを置いた本人はそのメモを見た母の反応を見ずに無いものとしていました。
それでも私は母のその反応を何十回も見てきました。
どんな反応をするのかわかっているのにそのうえで何故言えるのだろうと私には理解ができず、苛立つ母を見て「負担にならないように」という思いが増すばかりでした。
この時いつも母が言っていた「お金がない」という言葉を受け止めるべき人よりも私が一番その言葉を重く受け止めてずっと気にして、欲しいものを自由に言っていい時でさえ私の中に浮かぶのは「できるだけお金を使わないように」でした。
「 母子家庭だから」がかわいそうと言われる理由にならないわけに書いた運動会の頑張ったで賞で他のきょうだいが躊躇なく「ゲームのカセットがほしい」というなか私が買ってほしいとお願いしたのはおやつカルパス1つです。
母は「本当に?みこともゲームのカセットでもいいんだよ?」と言ってくれていて、もしかしたらこの時私も「カセットがほしい」と言っていた方がむしろ母は安心していたかもしれません。
ですが既にこの時には我慢という意識がなく言わないことが当たり前になっていたのであえて言わなかったわけではなく、ただただ「小学校の運動会を観に来てもらえないことがそんなに高いものを買ってもらえる理由にならない」という感覚でした。ゲームのカセットがほしいと言うきょうだいは理由があるかないかなどは関係なく、買ってくれると言っているのだから買ってもらおう程度の感覚なのでしょう。
全員が自分の希望と周りの希望のバランスを見て主張できれば良いのですが同じ環境で育っても真逆の性格になることもあるのでなかなか難しいです。
まとめ
以上が私が「きょうだいが多いことは幸せではない」と思う主な理由4つになります。きょうだいが多いことで苦労した経験がある方にはわかるものもあったのではないかと思います。
当然ですがみんながいい子にはなれないということです。
もし親御さんが見てくださっていれば私はお小遣い制を推奨します!
はじめは遠慮、我慢だったものがいつの間にか「ほしい」「したい」という気持ち自体を無くしてしまったり、逆に金銭感覚がなくなって我慢ができなくなってしまったりするので。
そしてそういう時はどうか、我慢してしまっている子を我慢ができるいい子で完結させるのではなく、周りをよく見て自分が我慢することを選べる優しい子だと知ってあげてください。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!
コメント