日常生活に支障が出るほどの潔癖症となると、原因は何か特別な出来事にあると考えてしまうかもしれません。
しかし、もっと身近な些細なことが原因で潔癖症になることもあるのです。
原因がわからない、何も心当たりがない、という方が少しでも原因に近づけるように、私の経験を一つの例としてお話ししていきます。
経験をもとに考えられることをお伝えするのでご参考程度にお読みいただければと思います。
強迫性障害とは
強迫性障害とは不安障害の一種で、潔癖症(不潔恐怖)は不安障害の症状の一つです。
強迫性障害は不安やこだわりが強すぎるあまり明らかにやりすぎな行為を繰り返し、日常生活に支障がでてしまう病気です。
代表的な症状
その代表的な症状は
- 不潔恐怖
- 加害恐怖
- 確認行為
- 儀式行為
- 数字へのこだわり
- 物の配置、対称性などへのこだわり
があります。 参照:こころの情報サイト|強迫性障害
原因はそれぞれ
強迫性障害の原因として挙げられるのは強いストレスやトラウマ、脳の伝達機能の異常です。
これらの他に性格なども関係していると考えられています。
家庭環境や性格、ストレスを何に感じるのかは人によって異なるので同じ環境で同じストレスにさらされても強迫性障害にならない人もいます。
原因は人それぞれなので「強いストレスやトラウマはないのに」という方もいるかと思います。ネットで原因を調べても自身に該当するものがない場合「性格だから」と結論付けてどうしようもないとあきらめてしまうことも多いのではないでしょうか?
しかし、実際はもっと些細なことがきっかけかもしれません。
潔癖症の原因はストレスやトラウマだけではない
私は今、強迫性障害の代表的な症状の『数字へのこだわり』以外に該当しています。
その中で一番最初に出た症状が不潔恐怖(潔癖)です。
他の症状が出るようになったのは強いストレスと、もともとの神経質な性格が原因ですが不潔恐怖だけはそれとは違った原因がありました。
潔癖症になったきっかけ
もともとの神経質な性格がまったく関係ないと言い切れるのか微妙なところですが、私が潔癖症になったきっかけは
大切なものを大切にしすぎたから
です。
大切なものを汚したくない
私は、大切なもの=綺麗なものという意識が強かったのでそれを汚したくないと思ったのが始まりです。綺麗なのも=大切にしたいではなく、自分にとって大切なものは汚れてほしくない、他人に足を踏み入れてほしくないといった感覚です。
最初は、大切なものは汚したくないからそれを隔離してその空間は綺麗にしたいと思っていたのですが、だんだん大切なもの以外に対して汚いと強く思うようになり日常生活で、できないこと・触れられないものが多くなっていきました。
自分が思うよりも些細なことかも
潔癖症が悪化して症状がひどくなればなるほど、それだけの原因があると考えがちです。
ですが、始まりは自分で思っているよりもっと些細なことかもしれません。
たとえば、コレクションに触れてほしくないという思いがきっかけかもしれません。
コレクションが趣味の方はたくさんいて、そのコレクションに触れてほしくないと思う人は少なくありません。この場合の「触れてほしくない」は潔癖症のものではありませんが、これが行き過ぎた結果潔癖症の「触れてほしくない」になってしまうこともあります。
他には、トラウマではないけれど忘れられない記憶なども原因になっている可能性があります。
子どものころ、「手を洗いなさい」「片づけなさい」と言われる経験は誰しもあると思いますが、これを必要以上に言われていた場合「手を洗わなければいけない」「片づけなくてはいけない」と強迫観念になることがあります。
他にも幼少期に「汚いから触らないで」と言われたものは無意識に『触れてはいけないもの』と認識し、年を重ねても触れられないままになってしまうこともあります。
このように特別な経験ではない些細なことがきっかけとなって潔癖症になってしまう場合もあります。
心の異常であることを知って
具体的なきっかけや原因が思い当たらないとき、「性格だから仕方がない」で片づけてしまい、強迫性障害であることに気づけないことがあります。
自分でも気づいていないことを他人に正しく認識してもらうことは難しいうえに、強迫性障害は他人に理解されにくい病気です。
周りから「変わってる」「細かい」「面倒くさい」と言われることはあっても、それが精神的な不安定さからだと気づき教えてくれる人はほとんどいません。
そのため、自分自身が気づいてあげてください。
「今、自分の心は正常ではない」と知ってあげてください。
自分の心の状態を正しく認識することが大切です。
原因がわからないとき
原因について全く心当たりがない方もいらっしゃるかもしれませんが、「性格だから」ではなく、一度『自分が最も耐えられないこと』を考えてみると潔癖症になった時期などとも合わせて何か、原因となったものがわかるかもしれません。
この記事が少しでも原因を見つけるお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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